視覚障害者夫婦が逆転敗訴

 通報で駆けつけた神奈川県警の警察官らが居室に承諾なく立ち入るなどしたのは違法だとして、視覚障害のある夫婦が同県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は3日、計27万5千円の賠償を命じた一審判決を取り消し、夫婦側の請求を棄却した。立ち入りには夫婦側の承諾があったとして違法性を否定した。

 2024年3月の一審横浜地裁判決は、警察官が夫婦宅の玄関に招き入れられた後、慎重に確認することなく居室まで立ち入ったのは違法と判断。目の見えない下着姿の夫(70)がいる中、対応した警察官に女性がいた点も「障害者差別解消法が求める障害がある人への合理的配慮を怠り、羞恥心を著しく害し人格権を侵害した」と指摘した。

 これに対し、高裁の相沢真木裁判長は、夫婦が立ち入りをその場で非難しておらず、承諾があったと認められると判断。女性警察官の存在を事前に伝えるよう求めた事実はないとし、違法とまでは評価できないとした。

 判決によると、怒鳴り声がするとの110番があり、警察官らが19年10月9日の深夜に夫婦宅を訪れた。

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