戦争中沈没の日本船から油流出

ミクロネシア連邦チューク州のデュブロン島の沖に沈む日本の商船=2004年10月(共同)

 【マニラ共同】太平洋戦争中に旧日本海軍の拠点が置かれたミクロネシア連邦チューク州(旧トラック諸島)の海中で、当時沈没した日本の船から油が流出していることが確認され、同州知事は30日までに、サンゴ礁の生態系や漁業などに重大な被害を与えかねないとして、緊急事態を宣言した。

 同州は流出拡大の防止や汚染の洗浄について、日本や米国に支援を要請。現地の日本大使館は29日、共同通信の取材に対し「具体的な措置の必要性があるかどうかを検討する」と回答した。

 チューク州政府などによると、船は「りおでじゃねろ丸」。1944年に米軍の攻撃で沈没した。30年5月に落成した大阪商船(現商船三井)所有の輸送船で、日本からブラジルへ渡る移民を乗せていた。40年10月以降、海軍の徴用を受け軍用船として運用された。

 9月に入りダイバーが油の流出を発見。流出の規模は不明だが、州政府は、油が周辺の島々の近くまで広がっているとして危機感を表明している。州知事の緊急事態宣言は15日付。

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