最重度なのに障害年金「不支給」

自宅の介護ベッドでほぼ寝たきりの生活を送る女性=10日、大阪市

 身体障害者手帳が最重度の1級でほぼ寝たきりの女性(58)が、国の障害年金を不支給と判定されていたことが28日、分かった。女性は背骨のゆがみなどのため全身に痛みがあって動けないが、障害年金は痛みに伴う障害を原則、対象外と定めている。女性は「現実に体を動かせないのに、不合理で納得できない」と訴えている。専門家は「同様の例は他にも多くあり、制度の構造的な問題だ」と指摘した。

 女性は大阪市在住。2022年に新型コロナに感染。後遺症で体力が急激に落ち、何度も転倒した。

 23年には全身の痛みや呼吸苦で救急搬送された。背骨が後ろに曲がった「脊椎後彎」などと診断された。摂食障害や心不全で入院し、体重は一時約20キロ落ちた。

 入院中に身体障害者手帳1級と認定。車いす生活になり今年3月、障害基礎年金を申請したが、不支給との判定を受けた。

 壁になったとみられるのが、厚生労働省が定めた判定要領だ。「疼痛(痛み)は原則として対象とならない」と明記しており、日本年金機構が送った不支給通知は、この点を理由の一つに挙げた。

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