自民党総裁選に立候補した小林鷹之元経済安全保障担当相が、防衛費を国内総生産(GDP)比で2%超に増額すべきだと主張している。2027年度に関連経費と合わせて2%に引き上げる政府の方針を上回り、防衛力強化を重視する保守層を意識したとみられる。ただ具体的な使途や必要な財源は不明確で、生煮え感もにじむ。
「2%では到底足りない。必要な額は積み増す」。小林氏は16日の出馬表明会見で、北大西洋条約機構(NATO)諸国による防衛費をGDP比3・5%とする目標の合意に触れ、こう述べた。
日本の防衛費は従来GDP比1%程度だったが、政府は22年末に国家安全保障戦略など安保関連3文書を策定し、防衛力の抜本強化と2%の目標を掲げた。25年度予算では約1・8%にまで上昇している。
一方、財源の一部に充てるとした所得税増税は国民の反発を懸念し先送りが続いている。2%超にはさらなる財源が必要で、実現は容易でない。
こうした中での増額論に、他の候補から疑問の声が上がっている。