サッポロホールディングス(HD)が不動産事業の売却手続きを進めている。保有物件の目玉は看板ブランド「ヱビスビール」発祥の地、東京・恵比寿の商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」。東京の中心部の不動産再開発候補として希少な一等地とされ、3陣営が買収を争う展開となっているとみられる。サッポロHDは近く優先交渉先を選定する見通しだ。
売却対象は子会社のサッポロ不動産開発(東京)。恵比寿は不動産情報サイトの人気の街ランキングで常に上位で、ガーデンプレイスは100年に1度といわれる大規模再開発が行われている渋谷駅から半径2・5キロ以内の「広域渋谷圏」(東急不動産)に位置する。サッポロ不動産開発は東京・銀座と札幌市でも商業施設を手がけている。
売却への入札手続きで残っているのは(1)米ファンドのベインキャピタルと東急不動産(2)米ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)など(3)米ファンドのローンスターなど―のもようだ。売却に至ればサッポロ不動産開発はグループから切り離される。