野生生物の交通事故死「ロードキル」を減らすため、国土交通省は北海道、鹿児島県、沖縄県の3地域でモデル事業を始めた。路面に動物のデザインを描くなど運転手への注意喚起を強化。効果や走行速度の変化などを検証する。将来的には他の地域にも取り組みを広げたい考えだ。
国交省によると、2022年度に直轄国道で発生したロードキルは約7万件。道路脇のフェンスや動物の移動用足場などを設置してきたが、事故件数は横ばいが続く。
3地域は、エゾシカとの事故が多い北海道苫小牧市周辺、アマミノクロウサギが生息する鹿児島県・奄美大島、ヤンバルクイナなど希少種の被害が出ている沖縄県北部。環境省の出先機関のデータを基に、特に事故が多い国道の区間を割り出した。
このうち沖縄県国頭村の国道58号はケナガネズミの犠牲も目立つ。対策として、路面にケナガネズミのデザインを施し、道路脇から飛び出してくる足跡の模様も描く。
このほか3地域では、カーナビやスマートフォンの地図アプリを通じて減速を求める音声を流すことも検討する。