暗黒物質正体、探る鍵発見

 宇宙に大量に存在するが正体が分かっていないダークマター(暗黒物質)の質量を特定する手がかりをコンピューターのシミュレーションで明らかにしたと、筑波大や東京大のチームが16日付英科学誌に発表した。初期宇宙に漂っていた水素原子から放たれた微弱な電波を観測できれば、その強度の変動から導き出せるという。

 暗黒物質は、宇宙に通常の物質の5倍程度存在する。正体が分かると、宇宙で天体が生まれ、大きな銀河ができていく仕組みの解明につながるとしている。

 チームは、約138億年前の宇宙誕生から1億年ほどの間の初期宇宙に着目。空間を漂っていたのは暗黒物質と水素原子で、天体はまだ生まれていないためコンピューター上で当時の状況を再現しやすいと考えた。

 理論上明らかになっているさまざまな条件を基に初期宇宙を再現し、水素原子が放つ電波の周波数や強度を計算した。その結果、波長が21センチの弱い電波は、周囲の暗黒物質の質量によって強度が変動すると判明した。

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