南太平洋のフィジー諸島で約3千年前に人が住み始めて以降、地域固有のアリのうち約79%の種が個体数を減らしたことが、博物館に保管された標本のゲノム(全遺伝情報)解析で分かったと、沖縄科学技術大学院大(OIST)などのチームが13日までに、米科学誌サイエンスに発表した。太平洋地域に広く生息する種や外来種は、過去数百年で急増していた。
アリなど昆虫は非常に多様で数が多く、有機物の分解や種子散布など生態系での役割も大きい。近年では個体数の減少が指摘されているが、哺乳類などに比べ長期的な調査が少ないという。OISTのエバン・エコノモ教授は「保全に向けデータを集めることが重要だ」としている。