１２日夜、関西空港に緊急着陸したユナイテッド航空３２便。機体から伸びた脱出用シューターから、乗客が次々に滑り避難した。脱出した乗客たちは「無事出られて良かった」と安堵の声を漏らし、「何が何だか分からないまま脱出した」と緊迫した様子を語った。
ジャンプ、ジャンプ―。着陸後に客室乗務員がしきりに叫ぶ中、シューターで機外に脱出した自営業川村圭吾さん（５４）＝静岡県伊東市。着陸後に「パン」という大きな音がしてシューターが開いた。「これはただ事じゃないと思った」。脱出後も滑走路に座っていたため「腰が痛い」と額に汗をかき、疲れ切った様子だった。
友人との旅行で搭乗した東京都の３０代男性によると「機内食が配られた直後に『大阪に着陸する』と言われて回収された」。シューターを急いで滑って降りたといい「赤ちゃんが泣く声が聞こえていた」と話した。
友人に会いに行く予定だったという東京都の６０代男性は「パスポートと財布だけ持って外に出た」と慌ただしい避難の様子を振り返る。客室乗務員から脱出の手順に関する指示があり「機内は割と冷静な雰囲気だった」とした。