袴田巌さん、名誉毀損で国提訴

袴田巌さん

 1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(89)は11日、畝本直美検事総長が昨年10月に控訴断念を表明した際の談話で名誉が傷つけられたとして、国に計550万円の損害賠償を求めて静岡地裁に提訴した。袴田さんの名誉回復の措置として、謝罪広告を最高検のホームページに1年間掲載することも求めている。

 静岡地裁は昨年9月26日、袴田さんに再審無罪判決を言い渡した。畝本氏は翌10月の控訴断念の談話で「判決は、理由中に多くの問題を含む到底承服できないもの」と表明。犯行着衣とされ、有罪の根拠となった「5点の衣類」に関し、再審判決が捜査機関による証拠の捏造と断じた点に「強い不満を抱かざるを得ない」としていた。

 訴状では、談話が袴田さんを犯人視していると言及。「速やかに取り消すべきだ」と主張している。

 提訴は弁護団が主導した。小川秀世弁護団長は静岡市で記者会見し、談話について「袴田さんの名誉を傷つけ、(再審無罪判決を出した)裁判所を侮辱する行為だ。許せない」と話した。

最新記事
為替相場 11日(日本時間22時)
米8月物価2・9%上昇
NY円、147円35~45銭
イラン、高濃縮ウラン情報開示を拒否
高市氏、推薦人20人確保にめど