中国で、お年寄りによる消費が活発だ。スマートフォンの普及効果もあり、海外旅行やオンラインでの消費を楽しむ高齢者が増加。高齢者向けの市場は「銀髪経済(シルバー経済)」と呼ばれ、規模は2030年に20兆元(約410兆円)を超えるとの試算もある。不況下の“救世主”として企業も熱視線を送る。
「旅行予約はスマホが便利。退職後は北欧や日本にも行った」。江蘇省蘇州の元大学教員の女性(71)の老後生活は充実している。食材や洋服の購入もアプリを使う。
年金は元公務員の夫と合わせて月額約3万元(約60万円)。北京や上海など都市部の公務員や大企業職員なら毎月1万~2万元の年金を受け取る人も少なくない。
消費拡大に一役買ったのがスマホだ。新型コロナウイルスの感染対策にスマホが使われ、高齢者の習熟度が上がった。
政府系シンクタンクなどによると、60歳以上の人口は24年の3億1千万人から35年には4億人となる。シルバー経済の市場規模は24年の約8兆元が50年に約106兆元になると試算する。(上海共同)