愛知県豊橋市(人口約36万人)の多目的屋内施設(新アリーナ)整備事業は、7月に実施された住民投票で賛成が多数を占めたため、長坂尚登市長が事業継続を決めた。中断していた工事は再開されるが、2027年としていた開業予定は約2年遅れる見通しだ。約230億円としている整備費の増加も懸念されている。
新アリーナは5千人が収容可能なメインアリーナに加え、武道場や弓道場などを設ける計画。メインアリーナはバスケットボールBリーグ三遠が本拠地とする予定で、市は24年9月に事業者と契約し、工事が始まった。
しかし、24年11月の市長選で、整備中止を訴えた長坂氏が現職らを破って初当選。事業者に契約解除を申し入れたため中断している。
参院選と同じ7月20日に行われた住民投票は、賛成が反対を2万5千票近く上回った。投票率は65・67%。整備推進派の市議は「投票率が予想以上に高かった。市政への関心が低いとされる若年層が将来を考え、市の活性化に期待した結果だろう」と分析する。