有料老人ホームなど介護施設への入居が決まった際に紹介会社から家族や本人に支払われる「祝い金」を受け取った人の中で、祝い金の有無が施設選びに「影響した」と考える人が75・8%だったことが3日、民間調査で分かった。多くは特定の施設を紹介会社から強く勧められており、入居者に合った施設選びがゆがめられた可能性もある。
紹介会社などは、入居者をあっせんすることで施設側から紹介料を得ている。入居者を増やしたい施設側が高額な紹介料を支払い、これを原資に紹介会社が祝い金を設けるケースがある。有料老人ホームなどの団体は、行動指針で祝い金による顧客誘導を「倫理に反する行為」としている。
老人ホーム検索サイトを運営する「LIFULL senior(ライフルシニア)」が6月、家族や親族に介護施設入居経験がある20~80代の男女2500人に調査し、祝い金を受け取った人は663人だった。平均は約3万円で、10万円以上の人もいた。
祝い金を受け取った人は「特定の施設を強く勧められた経験がある」が72・3%を占めた。