【天津共同】中国天津市で1日、新興国で構成する上海協力機構(SCO)首脳会議の本格的討議が行われ、加盟国の結束をうたう「天津宣言」に首脳らが署名した。中国の習近平国家主席はSCOが多国間主義に基づき平和と発展に貢献していると訴え、関税圧力を強めるトランプ米政権を念頭に「いじめに反対する」と表明した。
ロシアのプーチン大統領やインドのモディ首相らが出席。会議は2日間の主要日程を終えた。
会議を主宰した習氏は、発展と協力を推進してきたSCOの「国際影響力が日に日に増強されている」とアピール。トランプ政権の米国第一主義を踏まえ「多国間の貿易体制を支持し、平等で秩序ある世界の多極化」の重要性を訴えた。
インド外務省によると、天津宣言ではテロや薬物対策、エネルギー分野などでの協力強化を確認した他、イスラエルと米国によるイランへの軍事攻撃を非難した。
プーチン氏は会議の演説で、SCOが形成する新たなシステムは「時代遅れの欧州中心主義のモデルに取って代わるものだ」と強調。モディ氏はSCOの多国間主義の姿勢を評価した。