【ワシントン共同】トランプ米大統領は28日、既に議会承認済みの対外援助予算計約49億ドル(約7190億円)の支出を撤回すると議会に通知した。政権が29日発表した。予算編成や支出の権限は議会にあり、大統領権限で覆すのは極めて異例。議会は強く反発し、10月からの新会計年度予算の審議に影響を及ぼす可能性がある。
AP通信によると、米大統領は法律で、議会に予算撤回を求める間、支出の一時停止ができる。9月の会計年度末直前に通知することで、審議時間がないまま年度末を迎え予算が失効する。50年近く使われてこなかった手法だという。
ワシントン・ポスト紙は、議員から憲法上の権限を奪う試みだと報じた。トランプ氏が強大な大統領権限を行使し、議会が弱体化して三権分立が揺らぐ現状が改めて浮き彫りになった。
撤回するのは開発援助の補助金や国連、平和維持活動の関連費用など。トランプ政権は、国際開発局(USAID)を廃止し、対外援助削減を進めている。支出撤回措置の是非を巡っては、法廷闘争に発展する公算が大きい。