【テヘラン、ロンドン、ニューヨーク共同】英仏独の欧州3カ国は28日、核開発を拡大してきたイランの核合意違反を国連安全保障理事会に通知し、イランに対する国連制裁を復活させる手続きを開始したと発表した。制裁再発動に関する決議案の採決まで30日間の審議期間がある。英仏独はその間にイランから譲歩を引き出したい考えだ。
ロシア国連代表部は28日、英仏独に対抗し、10月に迫る核合意の期限を6カ月延長し、その間に外交解決を目指すとした決議案を安保理に中国と提出した。採決の時期は未定。イラン核問題を巡り、各国の駆け引きが加速している。
英仏独の違反通知についてイラン外務省は声明で「違法だ」と断じ「最も強い言葉で非難する」と激しく反発した。ルビオ米国務長官は英仏独を支持すると表明し、イランに米国との直接対話を再開するよう求めた。
安保理は29日午前(日本時間同日深夜)に非公開で緊急会合を開く。