停戦から1カ月、遠い正常化

 カンボジアとタイの武力衝突は29日で停戦発効から1カ月がたった。停戦は維持されているものの、カンボジアは国境地帯でタイ軍が民間人を家から立ち退かせたと批判。タイも兵士が地雷で負傷したと訴え、正常化への道筋は見えない。国境封鎖で物流も混乱し、進出する一部の日系企業に影響が出ている。

 「家と土地を取り戻したい」。カンボジア北西部バンテアイミアンチェイ州の国境近くの村人が地元メディアに語った。8月中旬、タイ軍が自宅周辺に有刺鉄線や古タイヤを敷設し、帰宅できなくなって避難生活を強いられたという。20年以上住んだ家を追い出された女性もいたが、タイは「自国領内」との立場。戦闘再開を恐れて避難生活を続ける人もいる。

 タイはカンボジアによる国境地帯での地雷埋設を問題視する。停戦後も兵士の負傷が相次ぎ、好戦的な世論にも影響。対人地雷禁止条約(オタワ条約)違反だと国際社会に訴えるが、カンボジアは否定している。(プノンペン、バンコク共同)

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