三菱商事、洋上風力撤退を発表

三菱商事の看板

 三菱商事は27日、秋田、千葉両県沖の3海域で進めてきた洋上風力発電所の建設計画から撤退すると発表した。中西勝也社長が東京都内で記者会見し、建設費用が4年前の入札時の見込みから2倍以上に膨らんだことで採算が合わなくなったと明らかにした。中部電力子会社などと企業連合を組んで臨んだ大型プロジェクトが計画倒れに。政府は再公募で出直しを図る構えだが、事業者には資材価格の高騰などコスト上昇が高いハードルとなりそうだ。

 中西氏は、事業継続が困難との判断に至ったと説明した上で「大変重く受け止めている」と述べた。「地元の期待を裏切る結果になって大変申し訳ない」とも語り、今後、秋田と千葉両県に出向き経緯を説明する考えを示した。自身の経営責任に関しては「引き続き責務を全うし、三菱商事をリードしたい」と述べ、引責辞任を否定した。

 企業連合に子会社の電気設備大手シーテック(名古屋市)が参加した中部電力は27日、撤退に伴い2026年3月期に170億円程度の損失を見込むと発表した。三菱商事は業績への影響は限定的だとしている。

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