昨年10月、神奈川県海老名市のホスピス型の有料老人ホーム「医心館海老名」で、入所していた男性=当時(74)=の呼吸器のマスクと酸素を供給する管が接続されないまま約11時間にわたって放置される看護ミスが起きていたことが26日、ホーム側への取材で分かった。男性は2日後に死亡。ホーム側は「(ミスの後に)呼吸状態の悪化を示す医師の所見はなかった」と死亡との因果関係を否定しているものの、接続ミスは認め遺族に謝罪した。
遺族は、装着手順やダブルチェックを怠ったなどとして、近く業務上過失致死容疑などで告訴状を県警に提出する方針。ホーム側は因果関係を否定する理由として、ミス発覚前から持病が悪化していたことのほか、男性が看護ミスの後も亡くなるまでの間、食べ物を摂取できていたことを挙げている。
遺族やホーム側によると、男性は持病の特発性間質性肺炎が悪化し、昨年5月に大学病院に入院。退院後の同7月に24時間体制の看護をうたうホームに入所した。