「戦争の痛苦」などの文言をなくす立命館憲章の改正案を巡り、学校法人立命館(京都市)が10月の創立記念行事に予定していた新憲章の公表を見送ることが26日、分かった。改正検討に関わった高山茂副総長らが共同通信の取材に明らかにした。学生や教職員から「平和への誓いが揺らぐ」などの反対の声が上がる一方、賛成意見も寄せられるとし「期間にこだわらず慎重に議論したい」と修正も含め検討している。
法人側は改正案を示した4月、戦争関連の文言を削ろうとした理由を「外国籍の方には意図がつかみにくいとの意見が出た」などと説明していた。
改正検討委員会の元事務局長・山下範久常務理事は「戦争による加害と被害の意味を込めた痛苦という言葉は玉虫色。そう表現されていること自体受け入れ難いと思う人もいる」と補足した。
改正案では、未来志向の表現を追求し「グローバルな平和」として、多様な立場から平和の実現を目指すことに重点を置いたと強調した。