甲府市は26日、市立甲府病院で2018年、山梨県内の70代男性が肝臓がんの手術中に死亡する医療事故があり、25年7月に遺族側と和解が成立し、3500万円を支払ったと明らかにした。樋口雄一市長は記者会見で「重く受け止めている。医療従事者の意識を再度徹底し、事故防止に努める」と語った。
市によると、男性は18年1月に肝臓の一部を切除する手術中、出血が増え、循環血液量減少性ショックで死亡した。病院が設置した事故調査委員会は19年4月、出血部分の特定には至らず、医師の処置にミスはないと結論付けた。
遺族側は21年1月、死亡は医師らが止血の注意義務を怠ったためだとし、損害賠償を求めて提訴した。