【ワシントン共同】トランプ米大統領は25日、自身のSNSに、米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事を即時解任するとの書簡を投稿した。クック氏の住宅ローンを巡る不正疑惑について「問題の行為は金融取引における重大な過失を示しており、金融規制当局者としての能力と信頼性を疑わせるものだ」と理由を説明した。
大統領がFRB理事を解任するためには、正当な理由が必要と解されている。クック氏を解任すれば、トランプ氏は自らの意向に沿う人物を後任に指名することができる。トランプ氏が早期の利下げを再三求める中、FRBは7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決め、クック氏は賛成票を投じた。解任されれば、次回9月の会合での政策決定に影響を与える可能性がある。
クック氏は住宅ローンで有利な融資条件を得るため、銀行書類と不動産記録を偽造した可能性があると指摘されている。トランプ氏はSNSで公表したクック氏宛ての書簡で、こうした不正行為をした可能性があると信じる「十分な理由がある」と説明した。