和歌山県古座川町の観光名所「滝の拝」で“清流のクライマー”とも呼ばれるボウズハゼの岩登りシーズンが始まった。奇岩が連なる高さ約8メートルの滝を、同じハゼ科のヨシノボリと競うように、上流を目指して懸命に岩をよじ登っている。
滝の拝は古座川支流の小川にある。大きいものでも約10センチの小さなハゼたちが小刻みに体を動かし、餌の多い上流へ向かっていくという。
和歌山県立自然博物館=同県海南市=によると、ボウズハゼは頭が丸みを帯びた姿から名付けられた。腹びれと口の吸盤を使って岩を登る。岩登りは夏の風物詩で例年9月中ごろまで観察できるが、今年は渇水と猛暑の影響で数が少なくなっているという。