「17~18億円分手付けた」

東京地裁などが入る裁判所合同庁舎=2023年10月、東京・霞が関

 三菱UFJ銀行の支店の貸金庫から顧客が預けた金品を盗んだとして、窃盗罪に問われた元行員山崎由香理被告(46)の公判が25日、東京地裁であった。山崎被告は被告人質問で100人余りの金庫から計約17億~18億円分を盗んだと明かし「金融業界全体への不安や不信感を招き、申し訳ない」と謝罪した。

 検察側、弁護側双方が追加立証を行うと明らかにし、検察側は予定されていた論告求刑を見送った。

 山崎被告は2020年ごろに貸金庫の管理者となり昇進した重圧や、私生活でのトラブルから「今まで感じたことがない不安とストレスがあった」と説明。外国為替証拠金取引(FX)での多額の損失を補填するために貸金庫の金品に手を付けるようになったと述べた。

 金庫を開けるのに必要な鍵は予備を持ち出し、自宅で保管。後日金品を戻すために、被害者の名前や金額をパソコンで管理し、金庫の中身を撮影していた。三菱UFJ銀に与えた影響について問われると「私一人のために悪く思わないでほしい」と涙ぐんだ。

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