大阪・関西万博のパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」の理念や成り立ちを紹介する本2冊が出版された。執筆したのは、同館プロデューサーで音楽家、数学研究者の中島さち子さん。「誰もが持つ創造性を自由に咲かせる楽しさを体験してもらう場にしたい」。本を通じ、同館に込めた思いを伝えている。
今年4月に刊行したのは絵本「クララとそうぞうのき」(ひかりのくに)。ひとりぼっちで住んでいたクラゲの主人公「クララ」が仲間と出会い、砂浜にある「がらくた」から楽器を作って演奏しながら旅をし、創造する喜びを知る物語だ。
リズム感を楽しんでもらおうと、たくさんのオノマトペ(擬態語、擬音語)を使用。絵は絵本画家のくすはら順子さんが担当し、温かみのある描写が特徴だ。後書きでは、クラゲ館は真ん中に「創造の木」が立ち、地下で祭りや郷土芸能の映像が楽しめると紹介。「国籍や年齢、性別、障害の有無をこえて、みんなの創造力を引きだす場所」とつづっている。