金融庁が有価証券報告書(有報)の虚偽記載といった金融商品取引法違反に対する課徴金制度を見直し、特例減額措置の拡大を検討していることが23日、分かった。証券取引等監視委員会の調査開始前に事業者が違反行為の事実を認め、自ら申告した場合に限っている適用条件を、開始後も容認する案が浮上している。「自首」しやすくして調査への協力を促し、早期の実態解明につなげる狙いだ。
特例措置の拡大は有報の虚偽記載や不提出が主な対象。来月にも開く金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会で見直しに着手する。現行は証券監視委の調査開始前に違反を自主申告すると課徴金が半額になる。開始後の申告も認めた場合に減額幅がどの程度になるのかが焦点だ。早ければ2026年の通常国会に金商法改正案を提出することを目指す。
措置の見直しに向けては、独禁法違反に対する課徴金減免制度を参考にするとみられる。カルテルや入札談合に対する違反行為の自主申告は調査開始後も認めており、事件の真相解明にどこまで協力したのかに応じて課徴金の減額幅が変わる。