【ジャクソンホール、ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日の講演で、政策金利を引き下げる可能性を示唆した。現在の金利水準は高く、引き締め的だとし「金融政策の調整が必要になるかもしれない」と語った。利下げは「慎重に進めることができる状況にある」とも述べ、今後の経済指標次第だと強調した。米株式市場は発言を好感し、急伸した。
トランプ大統領は22日、ホワイトハウスで記者団に、パウエル氏の利下げの可能性示唆を「遅すぎる」と話した。トランプ氏が大幅な利下げを求める中、FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を5会合連続で据え置いてきた。次回会合は9月16、17両日に開かれる。
パウエル氏は「雇用情勢の悪化リスクが高まっている」と分析。リスクが顕在化すれば、失業率が急激に悪化する恐れがあると警告した。雇用統計で5、6両月の就業者数が大幅に下方修正されるなど、冷え込みが浮き彫りになっている。