【エルサレム共同】国連は22日、食料危機が深刻化するパレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市で飢饉が起きていると発表した。国際指標を作る関係組織IPCは、食料不安の5段階のうち、最も深刻な状態に当たると認定。グテレス事務総長は「人災だ」とガザ境界封鎖を続けるイスラエルを非難した。イスラエル軍はガザ市制圧に向け攻勢を強めており、人道危機のさらなる悪化が懸念される。
イスラエル外務省は発表に対し「捏造の報告書だ」と反発した。飢饉認定により、停戦と人道状況改善に向け、国際社会から一層の圧力がかかるとみられる。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は21日、ガザ市で子どもの約3人に1人が栄養失調に陥っていると発表した。
食料不安に関する指標を定めるIPCは「特定地域の人口の少なくとも2割が極度の食料不足」に直面するなど三つの条件を満たした場合に飢饉と判断する。7月29日の分析では、ガザ市で三つの条件のうち二つが満たされており「重大な危機」が差し迫っていると訴えていた。