【独自】対馬丸、25年度内に海中調査へ

学童疎開船「対馬丸」

 太平洋戦争中の1944年8月に沖縄県を出て鹿児島県・悪石島沖で米軍に撃沈され、学童ら1500人近くが犠牲になった疎開船「対馬丸」を巡り、内閣府が2025年度内に海中の船体調査を目指していることが分かった。関係者が21日、明らかにした。船体の撮影や遺品の収集を目的とし、戦争の記憶継承に活用する狙い。撃沈事件は22日で81年を迎えた。

 調査が実施されれば、1997年以来となる。当時は船体を撮影した一方、引き揚げは技術的な理由で断念した。遺族や生存者の要望を踏まえ、内閣府が2024年夏に船体調査の関連経費を予算要求。経費は24年度補正予算に計上された。

 関係者によると、今回の調査は当初、事件から81年となる8月までの実施を目指した。ただ、悪天候が続いたため、先送りとなった。このほか、悪石島を含むトカラ列島では6月から地震が頻発していた。内閣府は年度内の実施に向け、準備を進める。

 対馬丸は1944年8月21日、長崎県に向け那覇を出港。翌22日夜、悪石島沖で米潜水艦の魚雷攻撃を受け、沈没した。

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