自動消去の中傷投稿にも責任

インスタグラムのロゴ=米カリフォルニア州メンロパーク

 投稿が24時間で自動消去されるインスタグラムの「ストーリー」機能などを使い、元交際相手の女性を中傷し続けた男性のアカウントについて、東京地裁は7月、運営会社に削除を命じる決定をした。こうした判断は珍しく、女性側は「悪質な投稿へのけん制になる」と評価。ただ、自動で消える投稿を証拠として残し、責任を問うのは容易ではない。専門家はSNS運営会社による対策強化を求める。

 女性側によると、男性は、大阪市のクラブで働く女性に対し、昨年8月ごろからインスタのストーリーや、記録が残らない生配信で「56(殺)す」「売春婦」と繰り返した。

 女性は今年4月、米メタ社にアカウント削除を求める仮処分を申し立てた。録画した数十件の配信動画や、スクリーンショットで保存した投稿を証拠として提出。地裁は今年7月1日に削除を命じ、約3週間後に男性のアカウントは抹消された。

 女性側代理人の川原俊明弁護士は「スピード感のある画期的な判断だ」と評価する。発信自体ができなくなるアカウント削除命令は、なりすましなど限られた例にとどまるという。

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