日韓両政府は、両国に共通した課題となっている少子化対策や地方創生について、担当省庁の次官級で課題克服に向けた協議を進める方向で調整に入った。23日に東京で実施する石破茂首相と韓国の李在明大統領による会談で合意する見通しだ。会談では首脳が相互往来する「シャトル外交」の再開も改めて確認する。日本政府関係者が20日、明らかにした。
良好な基調が続く日韓関係の維持、発展につなげたい狙いがある。これまで少子化は日中韓3カ国、地方創生は日韓の局長級による意見交換にとどまっていた。防災や農業なども協議の対象となる可能性がある。
両国では少子化が深刻化している。日本の出生数は2024年が約72万1千人と統計を取り始めて以降最少を記録。韓国の同年の出生数は約23万8千人で10年前からほぼ半減した。協議で両国の取り組みを共有しながら解決の糸口を見つけたい考えだ。
日韓はそれぞれ東京、ソウルへの一極集中と地方での過疎化の進行という課題も抱える。自然災害も頻発しており、協力の道筋を探る方針だ。