トライ、誤表記で新潟を視察

昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)鹿瀬工場跡が見える高台で説明を受けるトライグループの社員(左)=20日午前、新潟県阿賀町

 「家庭教師のトライ」の運営会社トライグループ(東京)が水俣病は「遺伝する」と教材に誤表記した問題で、同社は20日、新教材作成のため新潟県阿賀町などで現地研修を実施した。原因企業の工場跡を視察し、新潟水俣病の被害者とも交流した。

 教材作成担当の社員らが参加。被害者と面会し、阿賀野川の魚を食べてきた生活の様子や、水俣病の症状について話を聞いた。

 トライの阿部正純執行役員は研修後の取材に、「子どもたちに分かりやすく伝えるために、今日頂いた知識を生かしたい」と話した。新教材公開は10~11月ごろを目指す方針を示した。

 新潟水俣病阿賀野患者会の皆川栄一副会長(82)はトライ側の姿勢を評価した上で「現実にあったことを正直に伝えてほしい」と訴えた。

 誤表記があったのは映像授業サービス「Try IT」の中学生向け教材で、母親の胎盤を通じてメチル水銀の影響を受け、生まれた時点で発症する事例を「遺伝」と表現していた。約10年前に無料公開され、今年5月に非公開となった。

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