道頓堀火災で献花台、別れ惜しむ

大阪・道頓堀のビル火災で、現場付近に設置された献花台に花を供え手を合わせる男性=19日午後

 「ショックで現実味がない」「何も手につかない」。消防隊員2人が犠牲になった大阪の繁華街・道頓堀のビル火災から一夜明けた19日、現場には献花台が設けられ、訪れた多くの消防士仲間らが手を合わせ、突然の別れを惜しんだ。

 「どうか違ってくれと祈ったが…」。大阪市消防局の消防士中田怜玖さん(21)は勤務中に無線で火災現場に消防士が取り残されていることを知り、嫌な予感がよぎった。その後、消防学校時代の先輩だった消防士の長友光成さん(22)が亡くなったことを知った。厳しい訓練を共に耐えた仲間だった。中田さんは両手をそっと合わせ、静かに目をつぶった。

 犠牲になった消防司令の森貴志さん(55)と消防学校で半年間一緒に学んだ50代男性によると、森さんは使命感が強く、現場では頼れるベテランだった。「使命感から危ないところに入っていったんだと思う。熱かっただろう」と思いやった。

 消火に当たった2人の隊員が死亡するという異例の火災。堺市消防局の中井勝彦さん(32)は「亡くなった隊員の分まで、人命救助したい」と力を込めた。

最新記事
北朝鮮が新型対空ミサイル実験
北朝鮮が対空ミサイル実験、新型2種類
ロシア領内への長距離攻撃制限か
ロシア領内への長距離攻撃制限か
ガザ死者、8割以上が民間人か