大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンで19日、植物由来の素材も含むプラスチック製のパイプオルガンがお披露目された。地球温暖化や海洋プラスチック汚染の問題が深刻化する中、環境配慮素材の活用の可能性を伝えようと大阪のプラスチック成形企業8社が協力し3年間かけて製作した。展示終了の25日までプロが生で演奏する時間帯もある。
完成したオルガンは高さ2・8メートル、幅約1・9メートルで、53本のパイプが約4オクターブの音を奏でる。パイプや鍵盤は透明で、内部構造もサトウキビやトウモロコシといった素材を原料とするプラスチックでできている。
1970年の大阪万博で竹製のパイプオルガンを演奏したオルガニストの住山玖爾子さんが、19日はプラスチック製オルガンの奏者を務めた。
開発責任者で旭化工(大阪市)社長の吉本叡さんは「近年プラスチックは悪者になっているが、幸せになってもらえるものを作れると知ってほしい」と話した。展示終了後は、関西の教会かホールで活用する予定だ。