マダニ感染症、過去最多135人

SFTSウイルスを媒介するマダニの一種「フタトゲチマダニ」(岡林環樹宮崎大教授提供)

 国立健康危機管理研究機構は19日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の今年の累計患者数が、速報値で135人になったと明らかにした。国内で初めて感染が報告された2013年以降、最多だった23年の134人を上回った。全国の医療機関から今月4~10日の1週間に報告された患者数(速報値)は8人だった。

 今年は10人以上の死者が確認されている。厚生労働省は、草むらでの活動や農作業では、肌の露出を避けるなどの対策を取るよう呼びかけている。

 マダニは春から秋に盛んに活動する。SFTSは直接マダニに刺されるほか、感染した人や動物の血液などを介してうつることもある。

 6~14日の潜伏期間の後、発熱や嘔吐、下痢、意識障害などを発症し、致死率は10~30%とされる。予防できるワクチンはない。抗ウイルス薬が承認されている。国内では13年に山口県の成人女性の感染が初めて報告された。

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