初盆を迎えた故人の霊を手作りした船に乗せて西方浄土へ送り出す長崎県の伝統行事「精霊流し」が15日、県内各地で行われた。長崎市では悪霊をはらうという爆竹が鳴り響く中、喪服やそろいの法被などを着た遺族らが精霊船とともに練り歩き、亡き人に思いをはせた。
船は屋台船のような形で、申請が必要な2メートル以上の船は県内で703隻。大きいもので全長10メートル近くある。
東京都板橋区の塚田豊美さん(69)は95歳で亡くなった母のために駆けつけ、岡山、福岡両県からも親戚が集まった。「長崎で生まれ育ち亡くなった母を、最後も長崎らしく、にぎやかに送ってあげたい」と話した。