【ジュネーブ共同】プラスチックによる環境汚染防止に向けた国際条約作りの政府間交渉委員会は15日、スイスで行われた今回交渉での条文案合意を断念した。プラスチックの生産段階からの規制などを巡って溝が埋まらず、2024年内の合意を目指した韓国での前回交渉に続く失敗となった。
交渉委は会期を延長し、ルイス・バジャス議長(エクアドル)が示した二つの議長案を基に議論を重ねたが、妥協点を見いだせなかった。15日早朝に急きょ始まった全体会合では多くの国が「深い失望」を表明、交渉の継続を求めた。
再び交渉委を開く方針だが、具体的な時期や開催場所は未定。今回の議論を今後にどう反映するかも決まっていない。
生産規制を巡っては、欧州連合(EU)や、漂着ごみに悩む島しょ国が国際目標の設定など強い規制を要求。一方、自国経済への影響を懸念するサウジアラビアなどの産油国や米国は、廃棄物対策に限るべきだとした。バジャス議長は13日、生産規制に直接言及する条項を削除した案を示して合意を促したが、強い反発を招いた。