奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で、県内の昨年度の発掘成果を紹介する速報展「大和を掘る40」が開かれている。初公開となるのは、盾を持った人を表す「盾持人埴輪」を小さくしたミニチュアのような土製品(4世紀末~5世紀初頭)。古代の銅銭「和同開珎」なども並ぶ。9月7日まで。
土製品は、同県御所市の出屋敷北十三遺跡で見つかった。円筒の前面に、粘土板を張り付けて盾を表現している。高さ約11センチ。上部は欠損しているが、人の頭部分があったと推定される。盾の側面には、逆くの字形や8の字形をした模様があった。手を表現している可能性も考えられるという。
土製品は、約14メートル四方の方墳を巡る溝から出土した。研究所によると、盾持人埴輪を模した土製品は類例がなく、蓮井寛子主任技師は「何かしらの葬送儀礼に使ったと推定される」と話した。
奈良市の平城京跡からは、埋められた甕の中から3枚1セットの状態の和同開珎が計12枚見つかった。地鎮目的などが考えられるという。