14日午前11時10分ごろ、世界自然遺産の北海道・知床の羅臼岳(1660メートル)で「友人の男性がヒグマに襲われた」と110番があった。道警によると、20代とみられる登山中の男性2人が標高550メートル付近でクマと遭遇。1人が襲われ、林に引きずり込まれるようにして姿が見えなくなり、もう1人が通報した。道警などがヘリコプターで捜索したが、不明者の発見には至らなかった。
道警は15日早朝から捜索を再開する。道警によると、通報した男性にけがはなく、現場付近の展望台に移動。ほかの登山者数十人も展望台に集まっており、道警などがヘリで下山を進めている。羅臼岳への入山は規制された。
2人は午前5時ごろから入山。前後に約200メートル離れて下山中に、前を歩いていた男性が襲われ、林に連れ込まれたという。山小屋近くで捜索の様子を見つめていた千葉市美浜区の60代男性は「明日はクマの写真を撮りに登る予定だったが、やめることにした。知床はクマが多いと知っていたが、襲われたと聞くとやはり怖い」と不安げに話した。