和歌山県岩出市の児童発達支援センター「ネウボラロッツ」で2020年、当時5歳の男児が肉団子を喉に詰まらせ死亡したのは施設側が安全配慮義務を怠ったためとして、両親が運営法人や女性施設長らに約1億1千万円の損害賠償を求め和歌山地裁に提訴したことが13日、分かった。6月27日付。
訴状によると、男児は20年12月22日、給食で出た直径約3センチの肉団子を喉に詰まらせ、病院に搬送されたが28日に低酸素性脳症で亡くなった。男児は咀嚼機能などに障害があり、施設側が誤嚥の危険を十分予見できたにもかかわらず、極めてずさんな対策しか講じていなかったなどとしている。
事故を巡っては24年2月、和歌山県警が業務上過失致死容疑で施設長と担任だった男性を書類送検。和歌山地検は今年3月、2人を不起訴処分とした。遺族が4月、和歌山検察審査会に審査を申し立てた。
母親は取材に「不起訴処分に納得できず提訴に踏み切った」と話した。運営法人の木下善博事務局長は「訴訟についてのコメントは差し控える」とした。