公園で犬を含むペットの散歩を原則禁止する長野市の条例が、市民の間で議論を呼んでいる。1960年代にできたルールを「時代遅れ」として廃止を求める声がある一方、不十分なふん始末の懸念や鳴き声から維持を望む根強い意見も。荻原健司市長は見直しを検討するが、10月に控える市長選への出馬を明言しておらず、改正の動きが具体化するかどうかは不透明だ。
条例は63年に施行。公園の花壇が犬に踏み荒らされた事案がきっかけとされ、市によるとこうした規定は全国でも珍しい。
2021年度に約3千人が回答した市の調査では、公園での犬の散歩を「マナーが守られればよい」とした容認派は75%。犬が苦手であることやふんの懸念を理由に「させるべきではない」と認めないのは17%だった。
荻原市長は6日の定例記者会見で「時代に合わなくなってきているのではないか」と条例見直しに意欲を見せた。
ただ市長選を控え動きにくい事情も見え隠れする。荻原氏に近いある市議は「今廃止にかじを切れば必ず議論は紛糾する。まずは再選してからだ」と語った。