乗客乗員520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から40年となった12日、遺族らが群馬県上野村にある現場「御巣鷹の尾根」を慰霊登山した。墜落地点の尾根に立つ「昇魂之碑」で黙とう。亡くなった人たちを追悼し、空の安全を祈願した。「風化させない」との声が聞かれた。遺族が高齢化し、当時を知る日航社員もわずかとなる中、大惨事の教訓継承と安全確保に向けた航空各社の取り組みが問われている。
遺族らは、尾根の斜面に点在する墓標へ、亡き人を思いながら雨でぬかるんだ登山道を一歩一歩踏みしめた。時折手すりをつかみ、息を整えながら登る高齢者もいた。
「昇魂之碑」に集まり、黙とう。空の安全を願って鐘を鳴らし、子どもたちがシャボン玉を飛ばした。2011年の東日本大震災や14年の御嶽山噴火の遺族らも参加した。次男健さん=当時(9)=を亡くした、遺族らでつくる「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さん(78)は「仲間に支えられた40年だった。今後も命の重さを発信していきたい」と話した。