世界での日本茶人気の中、中国が抹茶の一大供給源として存在感を高めている。内陸部の茶どころの貴州省銅仁市は抹茶を地域ブランドとして打ち出し、量産体制を整備。欧米などに販路を広げ、抹茶の伝統文化を持つ日本の市場にも攻勢をかける。中国国営メディアは「世界最大の抹茶生産国」になったと主張している。
銅仁市では「中国抹茶の都」と銘打ち、多種多様な抹茶関連製品が販売されている。抹茶の体験施設「抹香集」の従業員、盧倩さん(26)は「抹茶文化を世界に発信したい」と語った。
銅仁市で茶を生産する「貴茶集団」は日本から専門家を招いて技術を取り入れ、抹茶生産の大規模工場を建設。大量生産に成功したという。国営通信新華社は、中国の今年の抹茶生産は推計で5千トンを超え、世界最大級だと主張した。
銅仁市政府は抹茶の原料となる「てん茶」を年内に1750トン以上、2026年に2200トン以上生産する目標を掲げる。農林水産省によると、23年の日本全国のてん茶生産は4176トン。銅仁市の計画が達成されれば日本の半分の規模となる。(銅仁共同)