長崎被爆80年、対話で連帯提唱

被爆から80年の原爆の日を迎え、長崎市の平和祈念像の前に手向けられた花=9日午前

 長崎は9日、米国による原爆投下から80年となり、爆心地の長崎市松山町にある平和公園で「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。鈴木史朗市長は平和宣言で、紛争が相次ぎ「核戦争」の危機が差し迫っているとして、対話や交流による連帯を提唱。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の故山口仙二・元代表委員による演説を引用して「ノーモア・ヒバクシャ」と訴え、世界の指導者に「核兵器廃絶を実現する具体的な道筋を示すことが不可欠だ」と迫った。

 被爆者が初めて全国で10万人を下回り、平均年齢も86・13歳となる中、記憶継承への決意を示し、援護の充実や救済の拡大を強く求めた。

 原爆がさく裂した午前11時2分に、参列者が黙とう。鈴木市長は平和宣言で昨年のノーベル平和賞を受賞した被団協に触れて「証言の力」が世界を動かしたと評価し、日本政府に核兵器禁止条約への署名、批准を求めた。

 被爆者代表の西岡洋さん(93)は平和への誓いで、核兵器を「使ったらすべてがおしまい」と強調し、不使用を訴えた。

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