【ワシントン共同】旧ソ連構成国アゼルバイジャンとアルメニアは8日、トランプ米大統領の仲介で、ホワイトハウスで和平に向けた指針となる共同宣言に署名した。両国は係争地ナゴルノカラバフを巡り30年以上対立。旧ソ連諸国に対するロシアの影響力低下を象徴する動きで、和平実現へ具体的な動きが進むかどうかが焦点となる。
トランプ氏は8日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領、アルメニアのパシニャン首相と3者で会談。「両国は全ての戦闘を恒久的に停止し、通商や往来、外交関係を築き、互いの主権と領土の一体性を尊重すると約束した」と強調した。
米政府高官によると、共同声明には、アゼルバイジャンとアルメニア領を挟んだ飛び地ナヒチェワン自治共和国とを結ぶ「国際的な平和と繁栄のトランプ回廊」の設置が盛り込まれる。アゼルバイジャンは長年、ナヒチェワンにアクセスする回廊の設置を要求してきたが、これまでアルメニアが主権喪失につながるとして応じてこなかった。