【台北共同】半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の機密情報不正取得事件で、情報は半導体製造装置大手東京エレクトロンの技術者に渡っていたと6日付の台湾各紙が報じた。技術者はTSMCから移籍していた。
東京エレクトロンは「コメントすることはない」としている。
聯合報によると、不正に取得されたのは回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)相当の最先端半導体に関する情報。東京エレクトロンはTSMCと取引がある一方、日本で次世代半導体の国産化を目指すラピダスと関係が深い。経済日報は、情報がラピダスに漏れた可能性があると伝えた。
台湾当局は5日、国家安全法違反容疑で3人を拘束したと発表した。台湾紙によると、1人はTSMCから移った東京エレクトロンの技術者。2人はTSMC従業員で、既に解雇された。
TSMC従業員らが会社のパソコンを使い内部システムに社外でアクセス。旧知の東京エレクトロンの技術者が、画面に表示された図面を携帯電話で撮影した。技術者は印刷された書類も受け取った。