厚生労働相の諮問機関の中央社会保険医療協議会(中医協)は6日、認知症のアルツハイマー病治療薬レカネマブの薬価を11月1日から15%引き下げることを了承した。費用対効果が低いとの分析結果が示されていた。患者1人(体重50キロの場合)当たり年約298万円から約45万円安い年約253万円とする。
レカネマブ(商品名レケンビ)は軽い認知症と、その前段階の軽度認知障害の人が対象の薬。エーザイなどが開発し、認知機能の低下を遅らせる効果が期待されている。体重1キロ当たり10ミリグラムを点滴で2週間に1回投与する。期間は原則1年半まで。
中医協は2023年12月、公的医療保険の適用対象とすることを了承した。その際、薬価を引き下げる場合でも下げ幅を最大15%にとどめると定めていた。薬価は現在、1瓶(500ミリグラム)11万4443円で、11月から9万7277円に引き下げる。
患者の自己負担は年齢や所得に応じて薬価の1~3割。自己負担に上限を設ける高額療養費制度もある。