クレジットカード情報などを盗む情報窃取型マルウエア(悪意あるソフト)「インフォスティーラー」について、セキュリティー会社「トレンドマイクロ」が主要な10種のウイルスを対象に昨年1月~今年6月、パソコンなど国内の端末を調査したところ、毎月数百台から検出されたことが6日、同社への取材で分かった。約2千台に及んだ月もあった。ウイルスがまん延し、国内ユーザーが標的となっている状況が明らかになった。
同社の岡本勝之セキュリティエバンジェリストは、証券口座が不正アクセスで乗っ取られ勝手に株式が売買される問題についても「ログイン情報を得た主な手口はフィッシングとみられるが、インフォスティーラーの関与も否定できない」と指摘する。金融庁によると、今年1~6月に確認された不正取引額は5700億円を超えている。
インフォスティーラーは、メールのリンクにアクセスした際や、更新が完了していないソフトウエアの脆弱性を突かれた際などに感染し、不正出金やデータの無断売却といった被害につながる。