詐欺被害巡る悲哀、小説に

神奈川県警公式ホームページで公開されている詐欺被害の実情を伝える小説

 大金をだまし取られ、家族を失い一人孤独にカップ麺をすするシニア男性―。神奈川県警は増加を続ける特殊詐欺やロマンス詐欺などの手口や実情を知ってもらおうと、現職の警察官が執筆した短編小説集「現職警察官K詐欺見聞録」を公式ホームページで公開している。作者は「被害を間近で見てきた警察官だからこそ伝えられる臨場感がある」と力を込める。

 警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺の認知件数は2万1043件、被害総額は過去最悪の約718億円だった。神奈川県の認知件数は1999件、被害総額は約66億6千万円と高止まりしている。

 県警犯罪抑止対策室はチラシや防犯講話などで啓発活動をしていたが、続く被害に頭を悩ませていた。そこで詐欺だと気付けるポイントをストーリーとして伝えようとのアイデアが出され、今年6月からシリーズ小説を始めた。

 1話目は定年退職した男性がマッチングアプリ上で出会った女性に投資を勧められるロマンス詐欺がテーマ。シリーズを執筆するのは同室所属のKさん(39)。

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