ロープ垂らし「つかまれ」

マンホール転落事故の状況(イメージ)

 マンホールに落下した同僚を助けようとした3人が次々と転落した―。埼玉県行田市で2日、下水管の点検中に起きた4人死亡事故。市の委託を受け現場で作業した会社の報告書から、当時の様子が判明した。

 「硫化水素に気をつけること」。4人の勤務先「三栄管理興業」の報告書によると、2日午前9時、責任者2人は携帯電話で連絡を取り、下水管の水抜きを始めた。下水管の下流側では、硫化水素濃度の上昇を知らせる検知器が鳴り、作業員は地上に退避。

 10~20分後、1人目の男性が状況確認のため東西にあるマンホールのうち、西側の穴へ進入。警報は鳴っていなかった。すると大きな声と、男性が落ちたと思われる水音が聞こえた。報告を受けた現場責任者は、東側のマンホール内へ。このとき警報が鳴っていた。

 同僚らが地上からロープを垂らし「つかまれ」と叫んだが、応答はない。3、4人目も東側のマンホールに入った。3人目の転落後、地上に残った同僚が午前9時25分ごろ119番した。検知器の表示は基準値の15倍以上を示す「OVER」だった。

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